「個人再生ってどんな効果があるの?」
「どんな人が個人再生を選択するの?」
「借金がいくらあっても個人再生できるの?」

個人再生は、債務整理の一種であり、借金返済が困難になった方が、生活を立て直すための救済措置として考えれる1つの法的手段です。

債務整理には、「任意整理」「個人再生」「自己破産」と大きく分けて3つありますが、借金返済の負担度合いが中間に位置している場合に「個人再生」を選択するケースが多いです。つまり、任意整理ではカバーしきれないけれども、自己破産をするほどでもないときに検討していきます。

和歌山では、まだ知名度が低いため、年間50件程度と個人再生を行った方は少ないですが、自己破産と比べてもリスクが低いことから、これから利用者が増加してくることが予想されます。

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個人再生とはどんな手続き?

個人再生は、裁判所を介して行う手続きとなり、裁判所に個人再生が認められると、借金を最大で1/5にまで圧縮できる可能性があります。借金額の大きさや、清算価値(所有している財産の評価額)の大きさ、可処分所得(収入から最低限の生活費を差し引いたもの)によって圧縮できる額は異なってきますが、相当な額の減額が期待でき、その減額された借金を3~5年で返済していくことになります。

債務整理で有名な自己破産は、借金がゼロにできますが、個人再生では、手続き後に返済が待っています。ただその分、個人再生は、ローン中の家や完済している車などの財産を手元に残しながら借金整理できるというメリットを持っています。個人再生には2種類あり、「小規模個人再生」と「給与所得者再生」ですが、いずれかを選択することになり、期待できる効果は異なりますので、それぞれの特徴とともに詳しく見ていきましょう。

小規模個人再生について

小規模個人再生は、主に自営業者や個人事業主の方が利用するための手続きであり、収入が不安定(固定給ではない)な方でも行えるようになっているのですが、給与所得者(毎月安定した固定給を貰っているサラリーマン)でも利用することができます。

後述する、給与所得者再生よりも借金の圧縮幅が大きくなりやすいことから、殆どの方が小規模個人再生を選択することが一般的。小規模個人再生では、最低弁済額と清算価値保障の原則の2点が圧縮額を決定し、高額の方が選ばれることになります。

最低弁済額について

最低弁済額とは、これ以上は下げることができないという限界の額であり、借金額の10~20%か100万円のいずれか高い方となります。例えば、400万円の借金があった場合、20%は80万円ですが、100万円の方が高いため、100万円が最低弁済額ということになります。600万円の借金であれば、20%は120万円なので、120万円が最低弁済額になります。

以下に借金総額に対する最低弁済額を表でまとめていますので確認してみましょう。100万円以下の借金における最低弁済額は全額になるため、100万円以下の借金は個人再生する意味がないことが分かるでしょう。

借金総額 最低弁済額
0円~100万円 →全額
100万円~500万円以下 →100万円
500万円~1500万円以下 →借金総額の5分の1
1500万円~3000万円以下 →300万円
3000万円~5000万円以下 →借金総額の10分の1

清算価値について

次に、清算価値保障の原則ですが、これは所有している財産を換価した場合の額よりも借金を圧縮できないということです。「財産分くらいは返済しましょう」ということです。

所有財産(車、家、宝飾品、生命保険の返戻金・・・)の換価額が200万円で、最低弁済額が140万円であれば、より高額な200万円が選択されるということです。

小規模個人再生は、債権者(銀行・消費者金融・クレジットカード会社)の過半数(債権者数の過半数or債権額の過半数を占める債権者)が反対すると、手続きができないという難点があります。ただし、反対をしてくる債権者は殆どいませんので、あまり心配はいらないでしょう。

個人再生による生命保険への影響

給与所得者再生について

給与所得者再生は、サラリーマン(安定した収入を将来的に得る見込みがある方)が利用するための手続きであり、自営業者や個人事業主の方は利用することができません。小規模個人再生は誰でも選択できるのに対し、給与所得者再生は、サラリーマンに限定されるということです。

小規模個人再生では、圧縮額を決定するための要素として、最低弁済額と清算価値保障の原則の2点があるとお伝えしましたが、給与所得者再生では、これに加えて「可処分所得の2年分」も考慮しなければいけません。

可処分所得とは、ざっくりとお伝えすると、手取り年収から最低限の生活費を指しい引いた額にあたります。つまり、最低限の生活をしていく上での余剰分(返済に充てるこができる)となるものです。最低限の生活費は、地域や何人家族なのかによって、細かく設定されておりますので、政府が運用しているHPで確認することができます。

可処分所得の2年分は、最低弁済額と清算価値を上回る額であるケースが多いので、可処分所得の2年分が、借金を圧縮できる限界になることが多いです。小規模個人再生に比べて、給与所得者再生の方が、圧縮された額が大きくなってしまうわけは、可処分所得の2年分も考慮しなければいけないという点にあるのです。

このように、圧縮額を決めるためのハードルが1つ多くなっている分メリットがあり、債権者は反対することができません。基本的に、債権者が反対することはないとお伝えしていましたが、万が一のこともあり、小規模個人再生が債権者の反対によってできなかった場合、給与所得者再生で再度、裁判所に申し立てをするという流れになります。

個人再生の魅力

個人再生の魅力は、何といっても「住宅資金特別条項」に尽きるでしょう。別名、住宅ローン特則とも呼ばれていて、これは、住宅ローンだけは整理対象から外しても良いという特例です。債務整理を行うにあたり、債権者平等の原則というものがあり、全ての債権者に対して不平等があってはならないとなっています。A社は当初の契約通り返済するけれども、B社は個人再生によって圧縮された額を返済するといったことは、不平等になるので原則禁止されているわけです。

個人再生をする場合、全ての借金を対象にしなければいけません。そこで、困ったことが起きます。住宅ローンも借金の一種ですので、個人再生の対象にされてしまいますと、住宅を取り上げられてしまうことになります。

個人再生は、借金で苦しんでいる方が生活を立て直すために設けられた制度にもかかわらず、生活に必要な住宅を取り上げられてしまうと元も子もないでしょうということで、住宅資金特別条項という特例が設置されたのです。住宅資金特別条項のおかげで、ローン支払中の住宅を失わずに借金整理ができるのです。

個人再生は、借金を最大で1/5にまで圧縮できる絶大な効果があり、尚且つ、ローン中の住宅を失わないということが最大の魅力と言えるでしょう。

住宅ローン特則について詳しくはこちら

個人再生は誰でもできるのか?

まず初めに、借金が5千万円を超えている方は、個人再生をすることはできません。次に、継続的な収入が見込めない方もできません。個人再生は、借金がゼロになる自己破産とは異なり、個人再生後には必ず返済が待っています。

借金がどれだけ圧縮できたとしても、100万円を3年で完済できる(月々、3万5千円程度が継続的に返済に準備できる)能力が最低条件。収入が無い、「専業主婦」「生活保護受給者」「失業中」のような方は個人再生を認められません。

個人再生に要する期間と流れ

個人再生は、弁護士・司法書士に依頼をしてから裁判所に認可されるまでに、大体6~9ヵ月程を要します。3ヵ月程度で完了する任意整理と比べますと、長期にわたると言えるでしょう。任意整理は私的な交渉(債権者と債務者の間)となりますが、個人再生は裁判所を介するため、それだけの期間がかかるのです。

個人再生の流れを以下にまとめていますので、確認してみましょう。

①相談&依頼

借金の解決に個人再生が適切であるのかどうかを判断する必要があります。債務整理には、他に任意整理や自己破産もありますので、ご相談者の収支状況を加味して、最適な方法を選択する必要があります。借金問題は少しでも早い解決が望ましいため、できる限りの情報(どこからいくら借金しているか・いつから借金しているか・所有財産は何があるのか)を事前に整理しておくとスムーズです。

②裁判所に申し立て

個人再生は、裁判所に申し立てを行いますが、その際、提出する書類(申立書)が必要になります。当センターにて書類が作成いたしますが、ご依頼者に必要書類の収集と提出をお願いすることになります。

③個人再生委員との面接

個人再生では、個人再生委員という裁判所が選任する弁護士と面接をしなければいけません。あなたの財産・収入状況の調査(申立書の内容確認)と再生計画案の作成補助を行ってくれます。面接場所は、個人再生委員の事務所だったり、弁護士会館など様々ですが、あなたのお住まいの地域の弁護士が選任されますので、遠方に向かわされることはありません。

④手続き開始決定

裁判所は、個人再生委員の意見を踏まえて、個人再生の手続きを開始する決定をし、ここから正式に裁判の手続きが開始します。手続き開始にあわせて、履行テストが開始します。履行テストとは、個人再生後の返済が問題なく行えるかを、事前にテストするのですが、個人再生後に返済していくであろう額を、事前に積立という形で振り込んでいきます。この積立金は、個人再生委員の費用に充てられますが、超過している分は返ってきます。

⑤債権額の調査と確定

債権額(借金の額)が申立書に記載していた金額に間違いが無いかを、債権者に確認をとります。債権者から、金額において変更の届け出があった場合は、正式な額の調査になりますが、大体は申立書に記載している額で確定されます。

⑥再生計画案の提出

債権額が確定すると、現状の履行テストの進行状況や財産状況の報告とともに、再生計画案の提出を行います。再生計画案とは、圧縮された借金を、各債権者に対してどのように返済していくかを記載した書面のことを指します。

⑦再生計画の認可

裁判所に提出した再生計画案を、債権者に確認をとります。債権者からの反対が無ければ、再生計画案の実現性を踏まえて、裁判所が認可・不認可を決定します。認可となると、個人再生の手続きは全て完了になります。

⑧弁済開始

個人再生が認可された翌月から、再生計画に基づいた弁済を開始していきます。基本的には、ご依頼者が直接、債権者に対して弁済を行っていきます。

個人再生のデメリット

個人再生のデメリットには大きく分類して3つあります。

ブラックリストに載る

個人再生だけでは無く、全ての債務整理において、ブラックリストに載ることは避けられません。「ブラックリストに載る」とは、個人信用情報機関に金融事故(債務整理をしていること)として登録されることを指します。

消費者金融や銀行から借金をしたり、クレジットカードを作成する際に審査をされてきたかと思いますが、その審査において、個人信用情報を確認されます。債務整理を行っていることが分かると、消費者金融・銀行・クレジットカード会社は、収入状況など関係なく審査を通さないようになっています。つまり、借金ができなくなりますし、クレジットカードも利用できなくなります。

また、車や住宅のローン購入もできませんので、現金だけの生活になってしまうのです。

しかし、ブラックリストに永遠に載り続けるわけではありません。個人再生の場合、ブラックリストに載っている期間は、5~7年程度で有り、その期間が経過するとまた元の通りの信用状態に戻りますので、借金をしたりクレジットカードを利用することが出来るようになります。

個人再生をしてからクレジットカードが再び使えるまで

官報に載る

個人再生は、裁判所を介する手続きのため、官報という国が発行する新聞に名前が記載されることになります。官報に載ることリスクは、第三者にバレる可能性がでてくるということですが、官報を見ている人は殆どいませんので、あまり気にする必要は無いでしょう。

保証人に影響が出る

個人再生は、住宅ローンを除く全ての借金を対象にしなければいけません。任意整理では、一部の借金だけを対象にすることができますが、個人再生ではそういうわけにはいきません。つまり、保証人付きの借金も強制的に対象になってしまいます。

個人再生をされたカード会社は、保証人に請求をすることになりますので、親・兄弟・親戚・友人などが保証人の場合は、迷惑をかけてしまうことになるので、事前の理解と承諾が必要になってくるでしょう。保証人が支払いが出来ない場合は、保証人も個人再生を含めた債務整理を検討せざるを得なくなるでしょう。

個人再生のデメリットについて詳しくはこちら

まとめ

個人再生は、借金を最大で80%圧縮できる手続きです。最大の魅力は、住宅ローンを個人再生の対象から外せることであり、持ち家を手放さずに借金の整理ができることにあります。ブラックリストなどのデメリットはありますが、大幅に借金を減額でき、借金生活を立て直す有効的な手続きであると言えるでしょう。

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