「個人再生って生命保険は解約しないといけないの?」

「保険は残したまま個人再生したいんだけど…」

個人再生では借金を大幅に減額してもらえるかわりに、生命保険を解約しないといけないのではないか、と不安に思われている方は多いですよね。

または自分がどんな保険に入っているのかよく分かっていないけど、手続きではどうなるんだろう、と思われている方もけっこういらっしゃいます。

そこで、個人再生では生命保険はどう影響するのか、生命保険の種類など説明していきます。

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まずは生命保険の種類を確認

自分が加入している生命保険の概要をきちんと説明できない、という方も多いですよね。個人再生では加入している保険の種類によっても手続きの方法が変わってくるので、まずは保険の種類を確認して起きましょう。生命保険には大きく分けて2種類のタイプがあります。

・掛け捨てタイプ
・貯蓄タイプ

の2種類です。

掛け捨てタイプの生命保険

掛け捨てタイプの保険は、保険料を支払っている間は保障を受けることができますが、解約後には1円も返ってきません。そのかわり保険料が安いというメリットがあります。医療保険やがん保険などがあります。

貯蓄タイプの生命保険

貯蓄タイプは、銀行の積立のようなもので、解約後はお金が返ってきます。この返ってくるお金のことを払戻金といいます。返金率は保険によって様々で、同じ保険でも解約するタイミングによって変わったりします。終身保険や学資保険、個人年金保険などがあります。

実際にはこの掛け捨てタイプと貯蓄タイプを掛け合わせたようなものも多く、保険料のいくらかは貯蓄として解約後戻ってきますが、いくらかは掛け捨てで戻ってこないというタイプもあります。まずは自分の加入している保険がどちらのタイプかを確認することが必要です。払戻金があるかどうかで、個人再生での手続きが変わってきます。

貯蓄タイプの保険は財産が多くなる

生命保険の中でも貯蓄タイプは、払ってきた年数や金額にもよりますが、解約後戻ってくるお金は財産としてカウントされます。

30歳から貯蓄タイプの保険に加入し、20年間、毎月2万円保険料を払っていたとします。そうすると2万円×12カ月×20年=480万円の積立があることになります。これを解約したとして、返金率が80%なら384万円が戻ってくることになるので、384万円の資産価値があることになります。

生命保険の解約払戻し金と清算価値

個人再生は借金を大幅に減額してもらえ、それを3~5年かけて分割で支払うことで、残りの借金が免除される手続きです。

この大幅に減額してもらう、ということですが、実際にどの程度まで減額してもらえるのかというと、計画弁済額というものを参考にします。この計画弁済額は、

① 借金の総額から算出する
② 財産(資産)から算出する

の2パターンから算出することがほとんです。(実際には収入から算出する方法もありますが、ここでは省略します。)

①は法律で決められた基準があり、借金が100万円~500万円以下なら最低弁済額は100万円、借金が500万円~1,500万円以下なら1/5の額が最低弁済額、というように計算します。基本的にはこの①の計算で割りだした最低弁済額を、実際の再生計画で使用することが多いですが、財産が多い場合は②の財産から算出する方法も合わせて使われます。

②の計算方法は、清算価値といって、持っている財産を全て現金化した場合の金額を割り出します。持っている財産というのは、例えば持ち家や車、保険の解約払戻し金、ゴルフ会員権、銀行の預貯金などです。

これらを全て現金化して清算価値を割り出した時、①の最低弁済額より上回っていたら、②の清算価値を計画弁済額にするということが決められています。これを清算価値保障の原則といいます。

より多い金額を支払うなんて、債務者からしたら不利に感じるかもしれませんが、債権者からしたら、財産をたくさん持っているなら個人再生じゃなくて自己破産して、全財産を配当として下さいよ、となるのは当然ですよね。

ただ、自己破産では実際に財産を手放して債権者の配当に回さなければなりませんが、個人再生では清算価値分を支払えば、財産は手元に残すことができます。

話を戻すと、生命保険の中でも貯蓄タイプの場合、支払ってきた金額や返金率によっては、清算価値がかなり高くなっている可能性もあります。

上の例で、384万円の払戻し金がある保険に加入していた場合、例えば借金の総額が800万円だとしたら、1/5に減額して160万円が最低弁済額になりそうですが、清算価値保障の原則によって384万円が最低弁済額になる、ということになります。

生命保険は解約しないといけないの?

では個人再生では、生命保険は解約しなければならないのでしょうか。

実際には解約する必要はありません。特に貯蓄タイプの保険は途中で解約してしまうと返金率が悪くなるので、そのまま支払い続けて満期になってから受け取った方が返金率が上がります。また、生命保険に加入する年齢が若いほど、保険料が安くなるという種類の保険もあるため(返金額が同じでも保険料が安くなる)、一度解約してまた加入すると、返金額が一緒でも保険料が上がってしまうということもあります。そのため、できるだけ解約しないで加入したままのほうがおすすめです。

ただ、実際に個人再生の手続きをし、清算価値が高く返済額が多くなり、返済していくのが厳しくなった場合は、金銭的な理由から解約することもあるでしょう。

上の例だと、借金の総額から算出しただけの時は160万円だったので、3年で返済するとなると毎月約44,000円を返済していくことになります。5年の返済計画が認められれば毎月27,000円の返済になります。しかし、保険の解約払戻し金が高く、384万円が最低弁済額になった場合、3年だと毎月10万円近く返済する必要があり、5年の返済計画が認められても毎月64,000円の返済になります。そのため、保険を解約しなければならないという決まりはありませんが、実際に返済が難しいという場合は解約することもあります。

個人再生後は生命保険に入れる?

個人再生をすると、信用情報機関の信用情報に事故情報が載ってしまうため(いわゆるブラックリストに載ってしまうため)、生命保険の加入もできなくなるのでは、と思っていらっしゃる方も多いです。

しかし、問題なく生命保険に加入することができます。

生命保険に加入する時に保険会社が気にするのは、その人の支払い能力ではなく、病歴や入院歴、年齢などです。もし保険料を滞納されたとしても、保険会社からしたら保険を失効にするだけなので、ローンと違ってリスクはありません。どちらかというと、保険金を支払うことになる病気などの方が気になるので、病歴や入院歴、年齢を気にしています。保険料を支払う経済力があれば、個人再生後でも問題なく生命保険に加入できるので、一度解約してしまったけど加入したい、新たに加入したいという方でも安心ですね。

まとめ

個人再生をすると生命保険は解約しないといけない、一度解約してしまうと個人再生後には加入できない、と不安に思われている方は多いです。しかし、生命保険は解約する必要もありませんし、個人再生後でも自由に加入することができます。ただ、貯蓄タイプの保険で今まで支払ってきた金額が大きいと、個人再生での最低弁済額が変わってくる可能性があります。

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