「任意整理をしたいけれどもデメリットが気になる」

「任意整理すると周りに借金のことバレてしまう?」

「所有している財産は無くなってしまうの?」

任意整理の効果は分かっているけれども、デメリットをしっかりと把握できていなくて、なかなか任意整理に踏み出せない方は多くいるのではないでしょうか。ご相談者の質問の中に、デメリットだと勘違いしている事が多数ありましたので、任意整理をすることによって生じるデメリットとデメリットではないものを明確に分けていきます。

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任意整理のデメリットはブラックリストに載ることだけ

任意整理は、将来利息のカット(利息を0にして元本だけを返済していく)と返済計画の見直し(36~60回払いで完済計画)の2点が大きな効果となりますが、同時に生じるデメリットも気になるところでしょう。

ずばり、任意整理のデメリットは、個人信用情報機関に金融事故(任意整理をしている)として登録されることだけです。

ブラックリストに載る、とも言われていますが、同じことです。唯一のデメリットであるブラックリストですが、任意整理の場合、約5~7年間が登録期間となり、それ以降は完全に削除されます。それでは、ブラックリストに載っている期間、お金を借りるということが全般的にできなくなるのですが、何ができなくなるのか細かく見ていきましょう。

消費者金融・銀行から新規借り入れができない

消費者金融や銀行は、個人信用情報機関に登録されている情報を、お金を貸し付ける際の一つの基準としています。借金をするタイミングで、どの金融機関でも「審査」という言葉がでてくるかと思いますが、この人の”お金に関する状況はどうなんだろう”と個人信用情報機関に問い合わせ、その情報を基に、貸しても返ってくるのかを審査するのです。任意整理をしていることが分かると、「任意整理している=返済されないリスクが高い」と判断されるため、消費者金融や銀行の審査に通らなくなるのです。

ブラックリストに載っていることで、100%消費者金融や銀行から借金ができなくなるわけではありませんが、かなり高い確率で利用できなくなると考えた方が良いでしょう。小規模な消費者金融であれば、少額(5万円前後)で貸してくれるところもありますが、あくまでも、貸す貸さないは、消費者金融の独断となります。銀行からは一切借り入れはできなくなると思って良いでしょう。

クレジットカードの利用・新規作成ができない

ブラックリストに載ると、利用中のクレジットカードが使えなくなりますし、新規作成することができなくなります。まず、任意整理の対象にしたクレジットカードは、ご依頼を受けたタイミングでお預かりしますので、もちろん使えなくなりますが、対象外にしていたクレジットカードも使えなくなります。

任意整理のご依頼を頂くと、債権者(任意整理の対象にした銀行・消費者金融・クレジットカード会社)に対して、受任通知というものを送付します。受任通知とは、司法書士や弁護士が債務者(任意整理を依頼した人)に代わって、任意整理の手続きや和解交渉を行うことを伝えるものです。受任通知を受け取った債権者は、このタイミングで、提携している個人信用情報機関に登録をしてもらうように依頼をします。

この登録された内容は、全ての金融機関(銀行・消費者金融・クレジットカード会社)で情報共有されているため、A社を任意整理すると、B社もC社も任意整理している事実が分かってしまいます。

つまり、任意整理の対象となっていないクレジットカード会社は、ブラックリストに登録された情報を入手すると、そのタイミングでクレジットカードを使えなくさせてしまうのです。クレジットカード会社は、ブラックリスト情報には大変敏感ですので、任意整理を依頼してから遅くとも一週間以内には、任意整理の対象外としたクレジットカードも使えなくなるでしょう。

車や住宅のローン購入ができない

ローンというものは、ローン会社(銀行や消費者金融も含む)が、購入者の代わりに一括で先払いし、購入者がローン会社へ分割で返済していく制度です。つまり、ローンを組むということは、ローン会社に借金をするということです。

ブラックリストに載ると、お金を貸し付けてくれる会社は全く無くなりますので、必然と車や住宅をローン購入できなくなります。ローン購入をしたい場合は、信用情報に傷が付いていない(任意整理を含めた債務整理をしていない)家族の誰かの名義で行うか、もしくは現金で一括購入するかになってきます。

携帯電話やスマホの分割購入ができない

ブラックリストに載ると、借金ができなかったり、クレジットカードが使えなかったり、ローンを組めなくなったりとお話ししてきました。ここで、盲点になりがちなのが、携帯電話やスマホの機種代の支払い方法です。

携帯電話やスマホの新規契約や機種変更のタイミングで、機種代が高騰してきていることもあり、多くの方は分割購入しているのではないでしょうか。毎月の使用料にプラスして、分割された機種代金を上乗せされていることが多いのですが、この場合、機種代はローンで購入していることになります。

車や住宅のローンと同じように、ブラックリストに載るとローン購入はできませんので、携帯電話やスマホも分割での購入ができなくなるのです。つまり、現金での一括払いを要求されますので、任意整理後の携帯電話やスマホの購入には十分に気を付けたいところではあります。また、毎月の使用料の支払い方法において、事前に対策が必要になってきます。

支払方法をクレジットカード払いにしているのであれば、口座振替やコンビニなどでの現金払いに変更しておかなければいけません。ブラックリストに載ると、全てのクレジットカードは使用できなくなり、同時に支払いもストップしてしまいますので、クレジットカード払いに設定している方は、任意整理をする前に変更をしておきましょう。

信販系保証会社の審査が必須な賃貸契約ができない

賃貸を契約する際には、大きく分けて2パターンあり、「保証人が必要」と「保証会社の審査が必要」のいずれかが必要となってきます。「保証人が必要」な場合は、見つかるまで探し続ければいいのですが、「保証会社の審査が必要」な場合は注意が必要です。

通常、ブラックリストを確認できるのは、銀行・消費者金融・クレジットカード会社などの金融機関だけなので、保証会社も確認できないはずなのですが、保証会社には、信販系保証会社というくくりがあります。クレジットカード会社などが信販系にあたるのですが、クレジットカード会社系列の保証会社があるのです。

この信販系保証会社は、ブラックリストを確認することができますので、賃貸契約の際に、任意整理していることが分かられてしまい、審査に落ちてしまうということです。賃貸契約をする際は、保証人で良いところか、信販系ではない保証会社の審査になっているところを選択するようにしましょう。

また、家賃の支払いをクレジットカード払いにしている方は、ブラックリストに載るとクレジットカードは使用できなくなるので、変更しておきましょう。新規賃貸契約の場合は、初めから口座振替や現金払いにしておきましょう。

デメリットと勘違いされやすいこと

任意整理は、ブラックリストに載るというデメリットがあり、上述したようにいくつか弊害が生じる可能性がありますが、それ以外は基本的にはデメリットはありません。任意整理の効果の反面、ブラックリスト以外で、勘違いされやすいデメリットを以下に記載していきますので、確認してみましょう。

周囲に借金していることや任意整理をしたことがバレる?

任意整理は、依頼した司法書士や弁護士が、整理対象会社(消費者金融・銀行・クレジットカード会社)と直接交渉を行い、そこだけで完結してしまいますので、第三者に情報が漏れることは一切ありません。

所有財産を取りあげられてしまう?

財産に関しては、一番勘違いされやすいのですが、任意整理をしたからといって財産を取り上げられてしまうことはありません。ローン支払い中の車や住宅を、任意整理の対象にしてしまいますと、取り上げられることになりますが、任意整理は自由に整理対象を選べるという特性があるため、失いたくないローン支払中の財産は、整理対象から外しておきましょう。一方で、自己破産という方法は、全てに近い財産を失ってしまいますので、この部分で勘違いされている方が多いのではないでしょうか。

会社をクビになってしまう?

そもそも、任意整理をしたことが、会社や職場に知られることは一切ありません。受任通知を受け取った債権者は、代理となった司法書士や弁護士以外と連絡を取ることを禁じられてしまいますので、会社に連絡が行くこともあり得ません。

また、万が一、会社に任意整理をしていることが、何かしらの不注意(会社のデスクに任意整理を依頼した契約書を見えるところで起きっぱなしにしている)などでバレてしまうことになったとしても、会社は、任意整理をクビ理由にすることができませんので、心配する必要はないでしょう。

運転免許やパスポートが更新できなくなる?

任意整理によるデメリットはブラックリストに載ることだけです。運転免許やパスポートには、何も影響はしませんので、運転免許をまた持っていない人でも取得できますし、海外旅行にも自由に行けますので、ご安心ください。

年金が受け取れなくなる?

任意整理をしたからといって、年金が受け取れなくなることはありません。公的年金(国民年金・厚生年金・共済年金等)は、法律で、その権利義務関係を個人で自由に決めてはならないということになっています。

つまり、外的要因によって、年金が支払われないことがあってはいけないということです。借金が払えなくなって、仮に訴えられたとしても、給料は差し押さえられる可能性はありますが、公的年金だけは、差し押さえが禁止されています。(※個人年金は、差し押さえを禁止されていません。)

ただし、一点注意です。年金の振込先の銀行口座を、任意整理の対象にしてしまった場合、その口座は凍結されてしまいます。年金は口座に振り込まれますが、引き出すことができなくなりますので、任意整理をする際は、年金が振り込まれてくる口座を変更しておきましょう。

住民票や戸籍に傷がつく?

住民票や戸籍に影響ができることはありません。任意整理を行うにあたって、住民票の提出を依頼した弁護士や司法書士に求められることはありますが、任意整理をした事実などが住民票や戸籍に記載されることはありません。

まとめ

任意整理のデメリットは、個人信用情報機関に金融事故として登録される(ブラックリストに載る)ことだけです。ブラックリストに載ることによって、お金を借りるという行為が全般的に出来なくなってしまいますので、事前に対策をしておくことは必要でしょう。

また、ブラックリストに載っている期間は、約5~7年間ですので、ブラックリストから削除されると、また元の信用状態に戻り、新たな借り入れや、クレジットカードの使用ができるようになるでしょう。

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