「奨学金の返済がなかなか追いつかない…」

「借金の返済と奨学金の返済でキツイから、任意整理を考えている」

今や大学生の2.6人に1人が利用している奨学金。実際に返済するとなると、思っていた以上にしんどく、返済が難しいという方が増えています。

借金の整理でよく選ばれている任意整理は、奨学金の返済が難しい場合にも向いているのでしょうか。任意整理と奨学金について説明していきます。

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奨学金を延滞している人は多い

奨学金を利用している大学生はとても多いですが、卒業後、返済と延滞している方は多く、年々増加傾向にあると言われています。その理由の1つが、大学の授業料が高く、借りる奨学金の金額が高額であることが挙げられます。

奨学金を利用している人の返済総額は、平均で288万円と言われていて、無利息で月々1.5万円返済したとしても、16年かかる計算になります。大学卒業後、結婚したり子供が生まれたりすると、毎月1.5万円というのは家計を圧迫してしまう、という方も少なくないのではないでしょうか。

奨学金は利息も少ないですが、延滞すると年2.5%~10%の延滞金も発生します。また、3カ月滞納するとブラックリストに登録されるということになり、9カ月滞納すると一括払いを求められます。

また、奨学金だけでなく他にローンや借入があった場合、さらに返済が難しくなり、任意整理などの債務整理を検討される方もいらっしゃいます。

奨学金は任意整理できる?

では、奨学金に返済が難しくなった場合、任意整理はできるのでしょうか。

任意整理とはそもそも、遅延損害金や将来利息を免除してもらい、それを3~5年かけて分割で支払う債務整理方法です。金利が高くなかなか返済が追いつかない場合や、遅延損害金が多くなっている場合にとても有効です。

ただ、奨学金に関しては、

・そもそも金利が低い
・遅延損害金の免除はしてもらえない

ということで、任意整理をするのはあまり意味がないんです。

奨学金というのは、年0.5%~1.5%程度しか利息がかかっていません。第一種奨学金(成績や家庭収入などの条件付きの奨学金)に関しては無利息です。そのため、任意整理の「将来利息を免除」というメリットはほとんど意味がなくなります。

また、奨学金は遅延損害金の免除に応じてくれないことで有名なので、遅延損害金も減らすことができません。

さらに、任意整理をしてしまうと、最終的に割り出した借金の総額を3~5年で返済しないといけなくなります。奨学金に関しては、返済期間は20年設けられているので、任意整理をすることでかえって月々の返済金額は増えてしまいます。

これらの理由から、奨学金を任意整理するというのは、現実的ではないんですね。

保証人付きの奨学金は保証人に迷惑がかかる?

奨学金を借りる時に、もし連帯保証人に家族などを選んでいる場合、任意整理をするのは少し危険です。

というのも、もし奨学金の任意整理をした場合、奨学金の返済は保証人に請求がいってしまうからです。しかも分割ではなく一括で請求がいくので、かなり迷惑がかかってしまうことになります。

では、機関保証を選んでいた場合はどうでしょうか。

機関保証は保証人が不要なため、万が一の時は機関が代わりに返済をしてくれますが、毎月数千円保証料がかかるので、実際は連帯保証人を選ぶ方が多いです。

この機関保証を選んでいた場合ですが、任意整理はできるのでしょうか。

機関保証を選んでいた場合は、任意整理をすると機関が代わりに支払ってくれますが、その後機関から請求がくるので、結局のところは分割で支払う必要があります。

奨学金は任意整理の対象から外そう

では、奨学金以外に借金があり、返済が難しい場合はどうするのがいいでしょうか。

任意整理では、対象の債権者(お金を貸してくれている人)を自由に選択できるという特徴があります。そのため、奨学金を対象から外して、奨学金以外の借金を任意整理することができます。

例えば、

クレジットカードのローン:80万円
消費者金融:50万円
奨学金:100万円

の借金があったとします。

このクレジットカードのローンと消費者金融の借金だけを任意整理し、130万円(80万円+50万円)を3~5年で分割で支払い、奨学金100万円はそれまで通りの支払いを続けるということです。

これなら保証人がいても迷惑はかかりませんし、他の借金は将来利息や遅延損害金を免除してもらい負担を減らすことができます。

奨学金は救済制度を利用しよう

では他の借金ではなく、奨学金自体の支払いが難しい場合はどうしたらいいのでしょうか。

奨学金には、もともと返済が難しくなった時のための、救済制度が設けられています。救済制度には、「返還期限猶予制度」や「減額返還制度」があり、一時的に返済をストップしてもらったり、月々の返済金額を減らしてもらうことができます。

収入面などの審査もあるので必ず利用できるわけではありませんが、奨学金の返済自体をなんとかしたい、という時におすすめです。

例えば産休や育休などで一時的に収入が減る場合、病気やけがで一時的に働けない場合は、返還期限猶予制度を利用して、最長10年先まで返済を延ばしてもらうことができます。猶予期間中は利息も延滞金も発生しません。

毎月の返済が難しい場合は、減額返還制度を利用すれば月々の返済金額を1/2~1/3に減額できます。毎年申請すれば最大で15年まで減額することができ、利息の支払い総額が増えることもありません。これらの制度は弁護士に依頼しなくても、自分で窓口で申請することができます。他の借金ではなく奨学金自体をなんとかしたい、という方はこの救済制度がおすすめです。

個人再生や自己破産は保証人がいない場合には〇

救済制度を利用しても返済が難しい、という場合は、個人再生や自己破産を検討していく必要があります。

個人再生や自己破産では、任意整理とは違って債権者を選択できないため、借金は全て対象になります。

その際やはり気になるのが、保証人がいるかどうかです。

奨学金で両親や親戚に保証人に選んでいる場合、個人再生や自己破産をすると、保証人に一括で請求がいってしまい、保証人も一緒に自己破産をすることになる、ということもあります。

もし保証人がいるけど、奨学金以外の借金も多くて返済が難しいという場合、まずは任意整理を検討してみるのがおすすめです。

任意整理では、過去に過払い金があれば請求し、借金自体が減ることもありますし、将来利息や遅延損害金を免除してもらうだけでも、返済の負担は減ります。それに加えて救済制度を利用すれば、個人再生や自己破産をしなくて済むかもしれません。任意整理でどの程度借金が減るのか知りたい、という方はまずは弁護士に相談してみましょう。

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まとめ

奨学金の返済が難しくなった際は、奨学金自体の返済が難しければ救済制度の利用を検討してみましょう。奨学金以外の借金が多く返済が難しければ、奨学金を対象から外して任意整理を検討してみることをおすすめします。奨学金を任意整理の対象にしてしまうと、遅延損害金の免除は認められない上、将来利息を免除もほとんど意味がありません。返済期間も短くなって、帰って月々の返済金額が上がってしまうこともあるので、任意整理をする場合は奨学金は対象から外しましょう。

任意整理でも借金の整理が難しい場合は個人再生や自己破産を検討する必要がありますが、保証人がいる場合は保証人に一括で請求がいってしまうので、しっかり検討する必要があります。

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