債務整理について調べていると、『利息制限法に基づく引き直し計算』なんて言葉をよく目にすることでしょう。

利息制限法って何?

引き直し計算って何?

なんで債務整理するのに、計算なんてしなければいけないんだろう、となっている方も多くいるはずです。

債務整理では、借金を減額する前に、あなたの借金が正確にいくらなのかを確定させなければいけません。

ここでも、今の残額=借金額じゃないの?と思うかもしれませんが、2008年よりも以前から借金をしていた場合は、利息を多く払いすぎている可能性があり、借金額が少なくなります。

いわゆる過払い金というものですが、過払い金の有無を調査し、過払い金が発生していたら、元本に充てこみ正確な借金額を算出するのです。

それでは、詳しく見ていきましょう。

利息制限法とは?

日本には、「利息制限法」という法律があり、利率の上限が定められています。

仮に、双方が納得した上で契約したとしても、その上限を超えた利息は無効となるのです。

それでは、どのくらいの上限に定められているのでしょう?

利息制限法では、借り入れする元金に応じて上限は変わりますが、年利で15~20%が上限となっています。

消費者金融などの場合、この上限ギリギリで設定されているケースがほとんどです。

金利が10%でも15%でもそんなに変わらない……そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、借入額が大きくなれば、わずか5%であってもかなりの額となりますので、金利をしっかりと意識する必要があるのです。

しかし、法律で上限が定められているのであれば、何も問題はないのでは?と思われがちです。

ですが、現行の利息制限法が定められた2010年6月17日以前に借り入れをしていた場合、現在の上限金利である20%を超える金利で契約していた可能性が非常に高いのです。
(2008年を境に多くの消費者金融が利息制限法で定められた上限金利に修正していきました。)

この上限を少し超えた貸し付けをしていたとしても、カード会社は、ただちに刑事罰を受けるわけではありませんでした。

出資法で罰則が定められている29.2%を超えない限り、刑事罰を受けることはなかったのです。

そのため、20%以上29.2%未満の金利は、特に罰則のない「グレーゾーン金利」と呼ばれていました。

現在では、貸金業法の改正によって、利息制限法の上限金利を超える金利での貸し付けは行政処分の対象となったため、このグレーゾーン金利はなくなっていますが、2008年以前は多くの消費者金融において、グレーゾーン金利で貸し付けを行っていたのです。

つまり、利息制限法(15~20%が上限金利)と出資法(29.2%が上限金利)が同時代に存在していたわけです。

消費者金融は、『罰を受けないのであれば、より多くの利息が得られる出資法に従っていれば良いや』ということだったのです。

しかし、思わぬ大どんでん返しが発生しました。

弁護士相談センターの働きかけにより、利息制限法の上限金利を超える金利をとっていた消費者金融は、超過していた分を返還しなければいけないという、最高裁の判決が出されたのです。

これが、テレビCMでよく目にする過払い金です。

現在では、利息制限法が絶対的なものとなっています。

引き直し計算について

上記の通り、利息制限法に定められた上限を超えた利息は無効ですので、支払う必要はありません。

そのため、もしすでに利息として多く支払っている場合は、超えた分を元本に充てこむように計算をやりなおします。

これが引き直し計算です。

また、過払い金が多すぎて、元本が全て相殺されたとしてもまだ払い過ぎた分が残っている場合は、現金として手元に返還されます。

もちろん、すでに完済している場合もグレーゾーン金利での取引を行っていた場合、発生していた過払い金の返還請求が可能です。(最終取引から10年が経過していると過払い金の返還請求はできません。)

では、具体的にこの引き直し計算はどのように行うのでしょう?

たとえば、グレーゾーン金利の上限ギリギリで年利28%で契約していたとします。

この年利で50万円を借り入れた場合、年に14万円ほどの利息がつくことになります。この場合、毎月12,000円を返済したとしても年間で14万円しか返済していませんので、元本はまったく減りません。利息だけを支払っていることになります。

しかし、50万円の借り入れの場合利息制限法によって定められている年利の上限は18%です。

この金利で計算をし直すと、1年間の利息は9万円ほど。つまり、年間で5万円の過払いが発生していることになりますので、この過払い金は元本の返済であると見なされることになります。

仮に、この返済を7年間続けて、そこで引き直し計算を行うと、元本はゼロとなっており、逆に10万円以上の過払い金が発生していることになるのです。

※厳密には、月々の返済額によって元本への充当分が異なってくるので、もう少し複雑な計算になります。

まとめ

現在では、利息制限法によって、金利の上限が設けられています。それを上回る部分の金利については支払う義務はありません。この条件で契約したのだから……と諦めてしまう必要はありません。すでにその利息を支払っていても、引き直し計算によって、元本の減額や逆に返還請求をすることができるのです。

2008年よりも以前から、借金をしている場合は、過払い金が発生している可能性が高いため、債務整理をすると、借金が減額されることになるでしょう。

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