債務整理は、『任意整理』『個人再生』『自己破産』と3つに分類することができますが、それぞれのメリットを把握して、あなたにとって最適な選択をしたいものです。

また、いずれの債務整理も、あなたの生活を立て直すことを目的としているため、デメリットばかりがフォーカスされがちですが、圧倒的にメリットの方が大きいのです。あなたの借金額と収支のバランスによって適する債務整理は異なるため、事前に理解し、失敗のない債務整理にしましょう。

債務整理全般におけるメリット

各債務整理におけるメリットの前に、まずは、全ての債務整理に共通するメリットからお話ししていきましょう。

督促&支払いがSTOP

債務整理を司法書士や弁護士などの専門家に依頼すると、そのタイミングで、カード会社に受任通知というものが送付されます。

受任通知とは、あなたの代理人となる旨をカード会社に知らせるものであると同時に、あなたへの接触を一切禁じる効果があります。

つまり、カード会社からの督促を含めた全ての連絡がSTOPするということです。

また、債務整理の手続きが完了するまでの期間は、これまで行ってきた返済もSTOPしますので、このタイミングで生活を立て直すことができます。

過払い金が発生することがある

債務整理の手続きは、まず引き直し計算を行うことからスタートします。

その際に、過払い金が発生していることがあるのです。

特に、長期間にわたって継続して借金している場合、グレーゾーン金利による取引があった可能性が高くなります。具体的には、2008年よりも以前から借金をしていた場合は過払い金が発生している可能性があります。

利息制限法で定められた金利以上に支払っている分に関しては、返還を求めることができるのです。

中には、長期間にわたってグレーゾーン金利の取引を続けていたことから、いつの間にか借金の返済が終わっており、逆に過払い金が返ってくることもあります。

そこまで大きな過払い金がなかったとしても、借金の額が大幅に減ることがありますので、債務整理を行うことの大きなメリットであるといえるでしょう。

もちろん、債務整理を行わずに過払い金の請求だけを行うこともできます。

なので、長期間にわたって借金をし続けているという方は、一度司法書士や弁護士に相談してみましょう。すると、思いがけない額の過払い金が返ってくることになるかもしれません。

任意整理のメリット

まずは任意整理のメリットからご紹介していきましょう。債務整理について検討する際に、デメリットが一番少ないことからも第一の選択肢となります。それでは、いくつかのポイントに分けて、具体的なメリットをご紹介しましょう!

手続きが簡単である

債務整理というと、かなり手続きが複雑で難しいものというイメージを抱いている方が多いかもしれません。

このイメージが原因で、債務整理に踏み切れないという方も少なくないでしょう。

しかし、任意整理はとても簡単です。

司法書士や弁護士に依頼すれば、基本的に本人は何もしなくても交渉を進めてくれます。

自分で借金の総額や詳細を把握することができていないという場合も、司法書士や弁護士などの代理人が、直接債権者に取引状況の開示を依頼します。

なので、ほとんど代理人任せで進めることができてしまうのです。

もちろん、和解交渉も自分でする必要はありません。債権者と直接やりとりをすることもありませんので、心理的負担もほとんどないといってもいいでしょう。

また、裁判書を介した手続きではありませんので、裁判所に足を運ぶ必要がないという点もメリットのひとつでしょう。

法律事務所などで司法書士に相談し、依頼をしてしまえば、あとは解決まで何をする必要はない、というケースが殆どなので、とにかく手間をかけずに債務整理をしたいという方にとって、かなりメリットの大きな方法であるといえるでしょう。

利息の支払いが免除

借入額が大きくなると、それだけ利息も大きくなってしまいます。例えば、100万円の借金であっても返済まで5年かかれば利息だけで40万円以上を支払うことになってしまいます。

そこで、任意整理を行えば、利息の支払い免除が認められるケースが多いのです。過去に支払った利息分に関しては、免除されませんが、これから返済する将来利息については免除という形で和解されることがほとんど。

つまり、100万円の借金であっても返済総額で考えると数十万円以上の減額が可能であることになります。

利息の免除というと、あまり大した減額ではないと思われる方も多いかもしれませんが、支払うことになる利息をいざ計算してみると、その大きさに驚くことでしょう。

借金額や月々の返済額によって利息は異なりますが、目安として、完済するころには元本(借りたお金)の1/3~1/2くらいが利息分となります。

返済期間を最大5年間に設定

利息支払いの免除によって、借金の元本だけの返済となっても、毎月の返済額が大きければ、それだけ生活を圧迫してしまうことになります。これでは任意整理を行った意味がありません。

そこで、任意整理の場合、完済までの期間を最大で5年間(60回払い)に設定することができるのです。この期間であれば、よほど借金の額が大きかったり、極端に収入が少ないといった事情がなければ、十分に返済することができる可能性が高いでしょう。

仮に、350万円の借金があるとすると、任意整理によって、350万÷60回≒約5万8千円となるわけです。

当初より、毎月の返済額も軽減できることになりますので、生活にかなりの余裕が生まれます。

多くの場合で、月々の返済額を半分程度にまで下げることが出来ます。

財産を処分する必要はない

債務整理をすると、持ち家などの保有している財産をすべて処分しなければならないというイメージを抱いている方も多いかもしれません。

しかし、任意整理においては、保有している財産には一切影響はありません。

もちろん、ローン支払い中の住宅や車も同様。

任意整理では整理する債務を自分で選択することができますので、ここから住宅や車のローンを外すことによって、引き続きローンの返済を続けながら、住宅や車を保有し続けることができるのです。

保証人に迷惑をかけずに債務整理が可能

保証人付きの借金を債務整理すると、保証人に請求がいってしまいます。

しかし、任意整理は先ほどもお話しました通り、整理する債務を選択することができます。そのため、保証人を立てている借金を対象外にすることによって、保証人に請求がいくのを防ぐことができるのです。

保証人に請求がいくことによって、家族や親戚などに債務整理を行ったことがバレてしまうのを防ぐことができます。

誰にも知られずに債務整理が可能

債務整理の種類によっては、官報に掲載されることになりますので、債務整理を行ったことが知られることになります。(とはいっても官報を細かくチェックしている人は希ですが…)

しかし、任意整理の場合は、裁判所を一切介さないため、官報に掲載される心配がありませんので、誰にも知られずに債務整理することが可能なのです。

債務整理が一般的なものになってきたといっても、まだまだネガティブなイメージを抱いている方は決して少なくありません。

そのため、誰にも知られることなく債務整理を行うことができるという点は大きなメリットのひとつであるといえるでしょう。

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個人再生のメリット

それでは引き続き個人再生を行うことのメリットについて解説していきたいと思います。

借金額の大幅な圧縮が可能

個人再生の最大のメリットは、借金の額を大幅に圧縮することが可能であるという点。

前述の任意整理の場合、借金の元本の減額はできませんが、個人再生の場合、最大で借金の額を5分の1まで減らすことができるのです。

そのため、任意整理での返済が困難な多額の借金にも対応することが可能となります。

たとえば、1000万円の借金がある場合、収入などにもよりますが、任意整理で5年間で返済するのは極めて困難でしょう。(毎月約17万円の返済が必要なため)

それに対して、個人再生であれば最大で200万円まで借金を圧縮することができるので、この200万円を3年間で返済すれば、残りの支払いは免除されます。

財産を保有したまま債務整理が可能

これは、任意整理と共通する点でもありますが、個人再生の場合、借金の大幅な圧縮が可能である上に、持ち家や完済しているマイカーといった財産を処分する必要はありません。

また、住宅ローンの支払い中であっても、住宅ローン特則を利用することによって、住宅ローンだけを整理の対象外にすることが可能です。

ただ、ローン完済済みの持ち家を持っている場合は、清算価値保障に注意しなければなりません。

通常、借金の総額が1000万円の場合は先ほど挙げた例の通り、最低弁済金は200万円ですので、この額を返済すれば問題ありません。

しかし、財産を持っている場合、その清算価値(お金に換えた時の額)がこれを上回ると、返済額が上がってしまうことになるのです。

たとえば、保有している住宅に300万円の清算価値がある場合、300万円以下に圧縮することはできません。

あまりに清算価値の高い財産を保有している場合、借金の圧縮率が悪くなってしまうというデメリットはありますが、財産を処分せずに、債務整理が可能であるという点は大きなメリットであることにかわりはないでしょう。

「だったら、任意整理ではなく、個人再生の方がメリットが大きいから一択じゃん」と思うわけですが、任意整理には無いデメリットがあるので、そういうわけにもいかないのです。

それは、整理対象を自由に選択できないということです。

保証人付きの借金や、ローン支払中の車の残額も全て整理対象に含まれてしまうのです。

『保証人に迷惑をかけたくない』『車を手放すわけにはいかない』などの事情がある場合は、個人再生よりも任意整理が向いているかもしれません。

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自己破産のメリット

続いては、究極の債務整理の手段と呼ばれている自己破産のメリットについて解説していきましょう。デメリットが多いというイメージの強い自己破産ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか?

借金の額をゼロにすることができる

自己破産を行うことの最大のメリットとなるのが、破産が認められれば、借金の額をゼロにすることができるという点。

これは、借金の額がいくらであっても変わらず、手続きが終了して免責が決定すればその時点で借金返済の義務はなくなります。

ただし、保有している20万円以上の財産は処分され、債権者に分配されることになりますので、そもそも財産をほとんど保有していない場合、それほど大きなダメージにはならないでしょう。

それに、財産を失ってしまったとしても引き換えに借金がゼロになるのですから、このメリットの方が大きく感じられる場合は自己破産がおすすめです。

基本的に誰でも自己破産は可能

自己破産は、債務整理でも最後の手段といわれるだけあって、誰でも可能な手段となっています。

任意整理や個人再生の場合、借金がゼロになるわけではないので、返済が続くことになります。

ある程度の返済能力がなければ行うことはできませんが、自己破産の場合は極端に収入が少ない方や無収入であっても行うことが可能なのです。

ただ、ギャンブルや過度の浪費、株取引やFX取引による借金の場合は、免責不許可事由(自己破産が認められない条件)にあたることから、認められない可能性もあります。しかし、裁判官の裁量免責によって認められたというケースも少なくありませんので、絶対に自己破産をすることができないというわけではありません。

ある程度の現金などは手元に残すことが可能

自己破産となれば、基本的に全ての財産を手放すことになりますが、現金であれば99万円までは手元に残すことが可能です。

そのため、これを元にして生活を立て直すことができるでしょう。

また、マイカーなどについても清算価値が20万円以下であれば処分されず、そのまま所有し続けることができます。

また、よくテレビで、机や冷蔵庫などに【差し押さえ】などの文字で札が貼られているのを見かけると思いますが、実際には、そんなことは一切ありません。

法的に、差し押さえ禁止対象というものが存在し、生活に必要な家具などが没収されるということはありませんので、心配する必要はないでしょう。

そのため、自己破産をすると同時に全てを失って生活ができなくなってしまう、なんてことはありません。

むしろ、手続き開始直後から債権者は取り立てや強制執行などができなくなりますので、精神的にも安定した状態を取り戻すことができるでしょう。

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最大のメリットは精神的安定

借金問題を抱え続けることは、精神に大きなストレスを与えることになります。返済によって、生活が圧迫されてしまうことももちろん大きなストレスの原因ですし、請求や取り立てなどがストレスになっているというケースも少なくありません。

司法書士や弁護士に依頼して債務整理の手続きをスタートすれば、その時点で一時的に請求や取り立てなども全てストップします。これだけでもかなり精神的に楽になることでしょう。

ストレスを抱えたままでは前向きに生活を送ることができません。なので、少しでも早く債務整理を行い、借金問題解決への第一歩を踏み出しましょう。それが、あなたの生活を立て直すきっかけとなるのです。

まとめ

債務整理にはとても多くのメリットがあります。もちろん、ブラックリストに載るなどのデメリットはありますが、それ以上にメリットの方が圧倒的に多いはずです。「任意整理」「個人再生」「自己破産」それぞれによって受け取れるメリットは異なりますので、あなたはどの債務整理が適しているのか十分にメリットを理解した上で選択するようにしましょう。まずは、デメリットが一番小さい「任意整理」から順に検討していきましょう。

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